伊藤哲司の「日々一歩一歩」

ここは、茨城大学で社会心理学を担当している伊藤哲司のページです。日々の生活および研究活動で、見て聞いて身体で感じることなどを発信していきます。

2016年の初めに

あけましておめでとうございます。2016年が明けました。名古屋の実家でちょっと早起きして、住宅4階のベランダから、快晴の初日の出を拝みました。そして両親と自分のために雑煮をつくって、ささやかに元旦のお祝いをしました。80歳の父、79歳の母ともに、有…

「非暴力」の心を言葉にして

先日、茨城県下のある県立高校で行った模擬授業「非暴力で世界に関わる方法」を受講してくれた高校生たちの感想が届きました。全員分ではなく、ある程度先生がよく書けたものを選択して送ってくれたようなのですが、それにしてもまだまだ本当に若い高校1年…

6回目のサステイナビリティ学国際演習

9月上旬にタイ・プーケットでの国際実践教育演習が行われ、今年も引率者の1人として参加してきました。今年が6回目となるこの国際演習、茨城大学とプーケット・ラチャパット大学との共同授業です。茨城大学からは院生10人と学部生2人が参加。ラチャパット…

アイデンティティの拠り所

いわゆる従軍慰安婦に関する朝日新聞の「誤報」が問題になっています。朝日新聞が長年論拠のひとつとしていた証言が実は本当ではなかったということについて、他の新聞や週刊誌から、激しいバッシングが続いています。ここぞとばかりに、朝日新聞の廃刊まで…

東北縦断の旅

東日本大震災から3年半近く、今年の夏は、またあらためて「被災地」を縦断してみようと思っていました。そしてそれを実現させるべく、2014年8月18日~24日にかけて約1週間にわたる東北の旅をしました。盛岡・宮古・遠野・気仙沼・仙台、そして娘のアパート…

閉ざされてしまった町で

先日(2014年8月2日)、福島の双葉町出身の大学院生・小野田明に案内してもらい、原発事故で立ち入りが厳しく制限されている大熊町・双葉町・浪江町を視察してきました。富岡町にから国道6号線を北上。まず、福島第2原発のところでスクリーニングを受けまし…

ハノイで過ごした濃厚な時間

7月25日から29日までの4泊、ベトナム・ハノイで過ごしました。短い滞在でしたが、今回もまた濃厚な時間を過ごすことができました。 ベトナム社会心理学会での発表と、ベトナム社会科学院東北アジア研究所での講演が今回の仕事のメインでした。そのことを通し…

「聞き書き」という継承の方法

福島県双葉郡富岡町を離れて生活している若者たちが、同郷の年長者の語りに耳を傾けて聞き書きをする次世代継承プロジェクト「おせっぺとみおか」が、東京・八王子セミナーハウスで2日間にわたって開かれました。中高生たちが「自ら育った地域の歴史・風と、…

大規模授業のやり甲斐と憂鬱

大学の授業で大人数の受講生を迎えることを嫌う教員は少なくないのが実情です。出席管理だけでも大変。まじめに聞かない学生も目立つ。どうしても授業の質が落ちる。テストやレポートの採点に膨大な時間が割かれる等々が理由でしょう。実際、一定数以上の受…

大事なことを忘れないために

このところ理不尽に思えるニュースが多すぎて、少し前のニュースを思い出しがたくなっているような気がします。韓国でのフェリー沈没事故は今年4月16日の出来事。それからしばらくそのニュースが続きましたが、もうずいぶん以前のもののように思えます。都議…

この国のかたちのゆくえ

2014年7月1日、この国のかたちが大きく変わってしまう「大事件」がありました。言うまでもなく、憲法解釈を変更しての「集団的自衛権」の行使容認閣議決定です。首相官邸前では、前夜万単位の人々が抗議にために集まりデモを行いましたが、その夜のNHKニュー…

爽やかに怒れ!

憲法解釈変更による集団的自衛権の容認問題、それに都議会の性差別ヤジ問題、福島での環境相の「金目」発言等々、怒りを覚えるニュースが続いています。最近ちょっと陰に隠れがちですが、福島の原発事故の原因がいまだわからないままであるにもかかわらず、…

命の話

研究生などの留学生たちと週に1回開いているゼミでは、時事問題を扱い新聞記事を読んでいます。日本の今の問題を日本語の新聞で読むというのは、留学生たちにとってはなかなか大変なのですが、大学院も目指そうという学生たちなので、それぐらいはできないと…

表現の力

昨夕、よく知っている学生たちが出演した演劇を見ました。普段教室で見る学生たちとは、まったくと言っていいくらい違う生き生きとした姿を垣間見ることができまいた。表現の力、演劇の力ですね。「冒険の布陣」と題され、監獄で巨匠監督が映画を撮ることに…

くすのき

樹齢数百年には達しているであろう楠(くすのき)、こういう巨木に出会うと、なんだかそれだけで神々しい気持ちになるものですね。無神論者の私ですら、そんなことを感じます。これ一本で「森」とまでは言わないけど、相当な生命を育むゆりかごにもなってい…

茨城大学の今後は……

先日行われた学長選考委員会で、現副学長の三村信男教授が次期学長候補者として決定しました。文部大臣の任命があって正式決定だと思いますが、実質的な決定です。海岸工学が専門で気候変動問題にも詳しく、IPCC(気候変動に関わる政府間パネル)にも長年参…

やはり自然を身近に感じたい

以前は取り組んでいた不耕起の田んぼや畑での米・野菜作り、とりあえず関われる場所が今はなく、ちょっと寂しいなと思っているところです。アパートのベランダにプランターを置こうかと考えもしますが、今の生活になってまだ間もなく、あまり無理はしないこ…

文洋さんの旅

石川文洋さんといえば、ベトナム戦争の報道等でよく知られている報道カメラマンですが、かつて茨城大学で3回も集中講義をしてもらったことがあり、そのお人柄と社会を見つめる真摯な姿勢に、大きな刺激と影響を受けてきました。ここ数年はお目にかかる機会が…

50歳になりました

1964年(昭和39年)5月19日、名古屋市北区の上飯田第一病院で、私はこの世に生を受けました。体重3550グラム、身長52センチ、胸囲34センチ、頭囲33.5センチ、取り上げてくれたのは奈倉道治医師と、母子手帳に記されています。生まれてくるまで性別がわからな…

40歳代最後の夕べに

ポールマッカートニーの東京・国立競技場でのコンサート、思い切ってチケットを買ってありました。今回逃したら、生で聴くことはないかもしれないと思いました。私が生まれた年(1964年)に東京オリンピックが開かれた場所にも行ってみたいと思っていました…

ほとんどが理系の研究者たちの中で

東京大学などいくつかの大学が参加しているSSC(サステイナビリティ・サイエンス・コンソーシアム)の研究集会が、筑波にある国立環境研究所で開かれました。年1回開かれているこの会、今回は自分に発表する機会がまわってきました。参加するのは初めて。20…

100歳になっても……

ここのところ続けて、100歳を越えようという女性たちの活躍を目の当たりにしました。ひとつは、107歳の刺しゅう作家・上杉みつ子さんの刺繍画、そして今年100歳になるという日本初の女性報道写真家・笹本恒子さんの写真。前者は、茨城県石岡市のまちかど情報…

ささやかだけど少し親孝行ができたかな

今年のゴールデンウィーク、後半は4連休でした。最後の3日間、両親に名古屋からきてもらって、茨城と栃木に1泊ずつしてもらいました。初日は私のアパートに、2日目はこの春大学生になった娘のアパートに。 80歳の域が見えてきた両親は、3月には一緒にベトナ…

常陸太田の御船祭!

ゴールデンウィーク後半の始まりの5月3日、5年に1回という珍しいお祭りがあるというので、留学生たちを連れて見にいってきました。福島県に隣接する茨城県北茨城市の大津港付近。ゼミ生の留学生の1人が、この地で震災後のコミュニティの問題を取り上げフィー…

ボラバスに乗って

4月27日(日)に、茨城大学の学生団体「Fleur(フルール)」が企画したボランティアバスに、50数名の学生たちとともに乗りました。私にとっては2回の目のボラバス。東松島市の野蒜海岸の清掃作業、それに旧東名駅近辺に植えたシバザクラの草の手入れをしまし…

ぼちぼちいこか

新年度が始まって間もなく1ヶ月。実にまあ自分でも呆れるくらい次から次へといろいろなことがあって、あまりゆっくり物事を考える間もなく時間が過ぎていきます。忙しいのは悪いことではないけれど、何か大事なことが置き去りになってしまうのは、よろしくあ…

ブログ引っ越ししました

Yahoo!のジオログというサービスを今まで使ってきましたが、まもなくサービスが終了することがわかり、こちらに引っ越してきました。使い勝手がどうなのかとか、まだよくわからないことが多いのですが、こちらは広告の表示が少ないということのようなので、…