伊藤哲司の「日々一歩一歩」

ここは、茨城大学で社会心理学を担当している伊藤哲司のページです。日々の生活および研究活動で、見て聞いて身体で感じることなどを発信していきます。

表現の力

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 昨夕、よく知っている学生たちが出演した演劇を見ました。普段教室で見る学生たちとは、まったくと言っていいくらい違う生き生きとした姿を垣間見ることができまいた。表現の力、演劇の力ですね。「冒険の布陣」と題され、監獄で巨匠監督が映画を撮ることになるというストーリー。マリリンモンローやケネディ大統領まで登場し、よく練られた展開でした。久しぶりに間近で演劇を見るという時間を持つことができました。
 30年ぐらい前の自分が学生だった時代、私は名古屋大学文学部の学生だったのですが、その文学部の友人たちにも演劇をやっているのが何人もいて、そのときも幾度か見にいきました。名古屋の大須にある七ツ寺スタジオというアングラなこぢんまりとした劇場で、床に座っての観劇は、お尻が痛くなりつつ、あまりよく意味がわからない台詞のオンパレード。でもそのときは、「これが前衛なんだ」と、「お前にわかるか?」と問われた気がしました。
 それに比べると昨日の演劇は、ずいぶん洗練されているようにも感じます。それは良くも悪くも。ストーリーがすべて了解可能でしたから。著名な寺山修司の「血は立ったまま眠っている」を水戸芸術館のテント公演で見たことがあるのですが、もっとワケがわからない、でも何か強烈なメッセージを感じたのを覚えています。
 でも、演劇という表現の可能性を、あらためて感じました。学生たちの演技にも拍手です。さらに、いい意味でむしろ洗練化に向かわない、メッセージ性に富んだ演劇が紡ぎ出されていくことを学生たちには期待します。自分は演劇はやらないけど、自身も表現者であり続けないといけないな。
 ところで自分の人生が、あらためて正式に舵を切ることになりました。そのことについては、またいずれ書いてみたいと思っています。とりあえず元気です。日常生活は特段変化なしです。前にジワリと進みます。
 (写真は、あまりクリアーではないけれど、水戸駅で登り方面を見渡した一枚)