伊藤哲司の「日々一歩一歩」

ここは、茨城大学で社会心理学を担当している伊藤哲司のページです。日々の生活および研究活動で、見て聞いて身体で感じることなどを発信していきます。

2016年の初めに

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 あけましておめでとうございます。2016年が明けました。名古屋の実家でちょっと早起きして、住宅4階のベランダから、快晴の初日の出を拝みました。そして両親と自分のために雑煮をつくって、ささやかに元旦のお祝いをしました。80歳の父、79歳の母ともに、有り難いことにまずまず元気です。

 実家の雑煮は実にシンプルです。醤油味の汁にもち菜とナルト、それに花鰹をドッサリ入れるのがポイント。でもこれが、簡素にしてなかなか味わい深いのです。雑煮といえば私にとって、ずっとこれでした。今年もこの雑煮を、両親と一緒に食べられる、そんな幸せを噛みしめています。

 振り返ってみれば、戦後70年だった昨年はけっこう酷い年でした。言うまでもなく安保法制強行採決、そして沖縄・辺野古の問題。福島の問題はそのままに再稼働される原発。民意が明確に示されても、それを何ともなかったかのように一見ソフトに押しつぶしていく政権。さらにそれを「支持」してしまう多くの人たち。テロが蔓延する世界をつくった根本に与するかのようにソフトに突き進む世界と、それに乗ずることに疑問を抱かない日本。この何とも言えない危機感の薄さ、それに浮遊感はなんでしょう。批判の声が封印されようとしているテレビを始めとするマスメディア。まだまだ世界の問題は数知れず。地球温暖化と気候変動が実感されるレベルとなり、きな臭さが増す世界の中で、私たちはいったいどこへ進もうとしているのでしょうか。

 複雑化するこの社会、しかしその根本はそんなに難しくなくて、この雑煮のように案外シンプルだと思うのです。大事なのはライフ。私たちの命であり、生活であり、人生です。それ以上に大事なものなどありません。ちゃんと目を見開いて、私の、家族たちの、友人たちの、そして世界の人々のライフが脅かされないような世界をどうつくっていけるのか、考え、そしてできるところから行動していきます。

 私は今年で52歳になります。「五十にして天命を知る」と言います。自分のやるべきことを知り、今年はシンプルにまた一歩一歩と前進してみるつもりです。このブログを書くのは実に久しぶり。今年は継続的に書いていけたらいいな。今年もどうぞよろしくお願いします。